004 三歩進んで二歩下がる。

マッチング 03

我が家からAちゃんのいる児童養護施設までは、クルマで1時間半くらいかかります。

近ければ、もっと頻繁に会いに行けるけど、実際は2週間に1回のペースで施設を訪問する感じです。

人見知りのAちゃんは、2週間も間が空いたら、ほぼ初対面の感覚に戻ります。同室のほかの子どもたちは、久しぶりでも遠慮なく遊んでくれるけど、Aちゃんは毎回、照れて職員さんの後ろに隠れるところからやり直し。

でも、回数を重ねるごとに、隠れる時間もだんだん短くなってきて、ニヤニヤと近づいてきてくれるようになりました。

まさに、三歩進んで二歩下がる。根気よく施設通いを続けました。

この時期は、かなりしんどかった気がします。Aちゃんとの関係も進展が感じられず、里親としてやっていけるのか不安になることもありました。

そのときに相談にのってくれたのが、里親担当の職員さんです。施設訪問のあとは必ず面談してくれました。

私たち夫婦の立場になって、アドバイスやサポートをしてくれました。実際に会っているときのAちゃんは素っ気ない態度でいることが多いけど、実は私たちの訪問を楽しみにしてくれていることを教えてくれたのもその職員さん。

感情表現が苦手で、面と向かって素直に甘えられないAちゃん。だけど、実は心の距離はちょっとずつ縮まっているんだとわかって、少し安心できました。

施設や里親担当の職員さんたちの献身的なサポートのおかげで、不安だらけのマッチング初期段階も乗り切ることができたんだと思います。

マッチングをスタートしてわりとすぐに、わたしの誕生日がありました。いつもどおり施設で遊んで、みんなとお別れして、里親担当の職員さんとお話して帰ろうと思っていると、Aちゃんが外で待っててくれたんです。

モジモジしているAちゃんが職員さんに促されて渡してくれたのはわたしの似顔絵!誕生日が近いことを知った職員んがAちゃんと一緒に描いてくれたんだそうです。このときは胸が熱くなって思わず泣きそうになりました。なぜかAちゃんのほうが号泣してました。

人見知りのAちゃんにとって、たまに遊んでくれるおじさんに似顔絵を描いて渡すことは、かなりハードルが高かったんだと思います。それでもがんばってくれたAちゃん。

このことをきっかけに、ますますAちゃんのことが好きになって、我が家にきてくれるようにもっとがんばろうと思えるようになりました。

里子のAちゃん近況報告


二重とびが8回連続できたと喜んでいます。

 

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